先月、Googleニュースをつらつらと見ていると、とある記事に目が留まりました。
デイリーポータルZに投稿されていた記事なのですが、
「魚の唇が美味しいって本当?」
という魅惑的なタイトルがつけられており、
幼い頃に父から聞いた話だが、
「魚の一番美味しい箇所は目の下。次が唇」
なのだそうだ。目の下はなんとなく分かるが、唇となると理解が及ばない。本当だろうか。
と話が続いていくのです。
そして、アジの唇から始まり、鯛、金目鯛の唇の実食と続く、とても魅力的なレポートで、
こ、これはためしてガットンせねば!と思わずにはいられませんでした。
デイリーポータルZ:魚の唇が美味しいって本当?
http://portal.nifty.com/kiji/120616156044_1.htm
それから、ず~っと魚の唇を食べる機会を狙っていたのですが、
先日、ついにその時が訪れました!
仕入れた物はこれです、これ。
真鯛のお頭(100円)
真鯛のお頭(半分にかち割られた物)が100円って、お頭って結構お買い得なんですね。
お頭以外に、申し訳程度に、背骨の部分が2切れほど入っていましたが、
こちらはお味噌汁のだしに使ってみました。
丁寧にあくを取ってお味噌汁にしたら、これが美味しい!
煮干だしより鯛で取っただしのほうが美味しいんですね~。
ちょっと得した気分です。
話が少し逸れてしまいましたが、真鯛のお頭に話しを戻します。
お頭は、やっぱり煮付けがいいかなと思いまして、
真鯛のお頭を鍋に入れ、
酒、しょうゆ、みりんを各大さじ2、それから砂糖小さじ2、水ひたひた、しょうがスライス少々を加えます。
あとは水から真鯛のお頭を10分弱煮ればあっという間にできあがり!
なかなか美味しそうに煮上がりました。
真鯛のお頭をグツグツ煮込み中(写真には写ってませんが、煮てる時は落し蓋をしていました)
真鯛のお頭の煮付け
さて、今回は何といっても「唇」がメインディッシュ!?です。
まず、唇をはずしてみます。
真鯛の唇
お箸でつまんで持ち上げると、結構、簡単にはずれます。
ただ、唇をはずしてしまうと、その下に隠れていた歯が出てきて、ちょっと怖いです。
意外と立派な歯をお持ちなのですね、真鯛さんって。
真鯛の唇と言えどもあまり大きくはないので、しっかり味わってみます。
目の下の次に美味しいと言い張る!?魚の唇、
ゆっくりかみ締めてみると…。
うん、確かに、わらび餅っぽい味がします。
でも、これ、生暖かいんですよ。
生暖かいわらび餅って、美味しい…んでしょうか?
生暖かいわらび餅って、美味しいんでしょうかったら!!!
ちなみに、私、わらび餅は大好きです。
冷蔵庫でキュンと冷やして食べるのが好きです。
この辺りで、ためしてガッテンの、山瀬まみの「美味しい~」に騙された感が、
ふつふつと沸いてきました(笑)。
ええ、山瀬まみの美味しい~に、かつて何度も騙されていますが何か?
わかっています、彼女はそれがお仕事なのです。わかっていますとも!
それにしても、このデイリーポータルZの著者さん、
美味しそうに思わせる文章力、ありすぎです。
山瀬まみよりも一枚上手です。
魚の唇が、思ったほどには美味しくなかったことに気落ちしつつ、
真鯛のお頭の食べる部位はまだ沢山残っていますので、
これを食べ進めることにしました。
お父さん曰く、1番美味しいという目の下。
もはやまったく信じられませんが(笑)、
目の下が美味しいというのは良く聞く話ではありますので、
丁寧に目の下の皮をめくってみました。
真鯛のお頭の目の下
目の下の身が白日の下のさらされた真鯛さん…、怖すぎです(笑)。
何ですか、このエイリアンは。
唇をはずしてしまった相乗効果で、完全にモンスター状態です。
気を取り直しまして。真鯛の目の下の身を頂きます。
ん? これ、普通に美味しゅうございます~。
その後も、後頭部、エラの後ろと、真鯛の身を求めて、
お頭のあらゆる部位を大解体。解体工事です。
真鯛のお頭の身は、どれもとっても美味しゅうございました~。
これが100円って、超お買い得かもしれません。
結局のところ。
身も蓋もない話ですが、
魚の唇より、普通に身のほうが美味しいという結論に達しました(笑)。
魚の唇は不味いという訳ではないのですが、とりたてて美味しい訳でもなく、
食べても食べなくてもいい部位ですね、これは。
目の下の身が美味しいということが普及したことと、
唇が美味しいということが普及しなかったこと。
これは、素直に美味しさの差だったのだろうと、
今となっては思います。
それにしても…。
人間って、何でも食べているものですね。
先人達のバイタリティに感心しつつ、
魚の唇はそれほど美味しいものではなかった、
ということで、レポートは以上です。